作成/ 2002-08-30

ウインドウズMS-IME2000のローマ字

マイクロソフト社のウインドウズに標準添付された日本語入力装置をMS-IMEという。日本のコンピュータ市場はウインドウズ寡占にあり、IME初期設定にあるローマ字一覧（IMEローマ字）への関心は高い。

IMEローマ字は絶大な影響力を持ち、なおかつ主張もなければ説明もないために、ローマ字の混乱をいっそうはなはだしくした。日本式、訓令式ローマ字などの公的規格が「目的」、すなわち日本語の正書法を目指したものであるのに対し、IMEローマ字は「手段」であり、仮名文字を機械に逐次認識させるためのボタンの押し順以上の意義を持たない。IMEローマ字は入力手順に競合を起こさない範囲でまったく自由気ままであり、書き手の選り好みに逆らわない反面、読み手には乱雑な印象を与える。

IMEローマ字の読み手がコンピュータである限りはなんら差し障りがなかった。しかしこれが日本語環境にない場所（特に、英語環境）で日本語の表記法として安易に用いられ、文節変換する感覚で分かち書きされるにいたって、ローマ字文の品質と風評は失墜しないではいられなかった。一般の方はボタンの押し順を書き写したものと、正書法ローマ字を区別できないからである。

MS-IME2000のローマ字と仮名の対応は以下のとおり。

注

っ

n 以外の子音の連続も可。例 ： itta → いった

ん

子音の前のみ n 。母音の前は nn または n' 。例 ： kanni → かんい　kani → かに

ー

カタカナの長音は - 。例 ： wa-puro → ワープロ

ヴ

ひらがなはない。

ゐ

Ｗ Ｉ キーを押して変換すると入力できる。

ゑ

Ｗ Ｅ キーを押して変換すると入力できる。